米粉から作られる米粉パンが近年注目を集めていますが、その背景には、健康志向の高まりがあります。
パン職人を目指す方のなかには、「米粉パンとはどんなものか知りたい」「資格を取るメリットは?」などと疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康に良いとされる米粉パンとはどのようなものか、その特徴や米粉パンを作ることのメリット、資格について解説します。
米粉パンの資格とは
米粉パンとは何かについて、その特徴や資格について解説します。
米粉パンの特徴
米粉とは、その名の通りお米からできる粉のことです。
料理に使うと、もっちりとした食感に仕上がる特徴があります。
従来、米粉は団子や草餅、白玉団子などに使用されていました。
しかし技術の進歩でより細かな米粉が作れるようになったことで、パンや洋菓子などにも使われています。
米粉パンには、以下のような魅力があります。
①グルテンフリー
米粉を使用しているパンはグルテンフリーであることが、最大の特徴であり魅力でもあります。
「グルテン」とは、小麦に含まれるたんぱく質のひとつです。
グルテンが含まれる食品の代表的なものが、パンやケーキ、麺類などです。
「グルテンフリー」な米粉パンには、グルテンが含まれていないことから、ヘルシーだということで健康や美容に気を遣っている人からも注目を集めています。
また、米粉パンは小麦粉から作られたパンと比較すると水分含量が高く、腹持ちが良いとされています。
さらにもっちりとした食感で咀嚼の回数が増えるため、満腹感を得やすく、ダイエット中にもおすすめです。
健康やダイエットを意識する人たちへ訴求できることは、米粉パンならではです。
②小麦アレルギーがある人も食べられる
グルテンフリーだということはつまり、小麦アレルギーの人でも食べられるということです。
日本人の食生活に欠かせないものとなっているパンですが、その原料である小麦は、食物アレルギーの代表的なものでもあります。
日本では人口の1%、つまり約120万人が何かしらのアレルギーを持っているとされており、グルテンフリー食品である米粉パンに注目が集まっています。
小麦粉アレルギーを持つお子さまの食事のためにと、米粉パンを求める人も少なくありません。
また、アレルギー反応が出ない人でも、小麦が身体に合わないといった人も一定数いるため、グルテンフリーは多くの人にとってメリットを感じやすいキーワードとなります。
ただし、アレルギー対応のパンを提供するためには、小麦パンを作る道具と別にしなければなりません。
そのため、専用の器具や設備が必要になるなど、アレルギー対応のパンを提供するにあたってはクリアすべき問題もあります。
実際に商品として提供するのであれば、米粉パンを作る方法だけでなく、そういった知識も身につけなくてはいけません。
③栄養価が高い
米粉には、炭水化物をはじめ、たんぱく質や脂肪、ビタミンなど豊富な栄養素が含まれています。
特に、たんぱく質の栄養価の指標である「アミノ酸スコア」の数値を見ると、小麦粉よりも米粉の方が高いのが特徴です。
健康志向の高まりを見せるなか、栄養素のなかでもたんぱく質の必要性が見直されています。
たんぱく質は筋肉をつける以外にも、お肌や髪の美しさを保つために欠かせません。
このように小麦を使ったパンよりも、米粉パンのほうが高い栄養価が期待できるということからも、米粉パンが良いとされています。
米粉パンの資格で学べること
米粉パンについては、「米粉パンマイスター」や「米粉パンシェルジュ」、「米粉パンマスター」、「グルテンフリーパンコンシェルジュ」などさまざまな資格があります。
いずれもパン職人になるために必須の資格ではありませんが、このような資格を通して米粉パンへの理解を深めることが可能です。
米粉パンの資格によって学べることとして、以下のような内容が挙げられます。
- 米粉および米粉パンの基礎知識
- グルテンフリーの基礎知識
- 米粉パンの製パン理論
- 米粉パンの作り方
- オリジナルレシピの考え方
- パン教室の始め方
- パン屋の集客方法 など
資格によっては、米粉パンに限らずパン作りに関して広く学ぶことにもつながります。
米粉パンも作れることの3つのメリット
小麦粉を使った一般的なパンだけでなく米粉パンも作れるようになることは、パン職人を目指す方にとってどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
① 差別化が図れる
パン職人として独立したり教室を開いたりする場合に、「米粉パン」という特徴がアピールできることがメリットです。
他店舗や他教室との差別化が図りやすくなり、集客力アップが目指せます。
近年、パンを主食とする日本人も多く、パン屋やパン教室も至る所に存在します。
パン業界において価格競争だけで残ることは難しく、オリジナリティが求められます。
「米粉パン」というオリジナリティは、差別化を図ることに有効です。
② 健康志向が高まる今の時代にマッチしたジャンルである
先述したとおり、グルテンフリーの米粉パンは、健康や美容、ダイエットに適した食品です。
近年、健康志向の高まりを見せる日本において、米粉パンは時代にマッチしたジャンルだと考えられます。
今どきの消費者は、食品を買うときや食事をするとき、商品の品質だけでなく健康的な食生活によるメリットも重視しています。
健康的な食生活というお客さまのニーズに応えるためにも、米粉パンは適しているのです。
また、アレルギーに関する課題も重要で、アレルギー対応している食品の提供はパン業界にも求められることです。
③ パン職人や講師としての幅が広がる
他者との差別化を図れて、時代のニーズに応えられる米粉パンを作れることは、パン職人や講師として活躍するのに有効です。
そのため、興味のある方は米粉パンの資格を目指すとよいでしょう。
ただし、米粉パンの資格を目指すのは、あくまでも普通のパン作りをマスターしたうえでのプラスαとするのがおすすめです。
パン職人や講師として活躍するためには、やはりパンに関する基礎知識が不可欠だからです。
米粉パンの資格を取得するには
米粉パンにはさまざまな資格がありますが、資格ごとに講座が設けられているものがほとんどです。
各スクールの講座を受講することで、資格を取得できたり有資格者と認定されたりします。
そのほか、米粉パンの資格取得を目指せるパン教室などもあります。
パン教室に通うと講師から直接技術を習得できるほか、米粉パンの教室を運営するにあたっての情報が得られるメリットがあります。
また、スクールや教室、資格によっては、米粉パンの資格について自宅で受講したり受験したりできるコースもあるので、ライフスタイルに合わせて選択されてもよいでしょう。
特に自宅で学べる場合は、忙しい方でも無理なく資格取得が目指せます。
米粉パンの資格取得を目指すことで、小麦粉との違いや米粉の基礎知識を学び、食生活やパンへの理解を深められます。
実践的な学びとして、米粉パンの作り方やオリジナリティの考案に至るまで習得できることもあります。
ただし、米粉パンについて学ぶうえで、資格の取得は必須ではありません。
あくまでも、米粉パンについて学ぶツールや、目標設定に有効な手段のひとつとして、資格があると考えられます。
米粉パンについて学ぶ方法
資格取得を目指すことで、パンや米粉パンについての知識が深められたり、技術を習得したりできます。
ただし、資格取得をしなくても、米粉パンについては学べます。
米粉パンの講座に参加する
資格取得という形でなくても、米粉パンに関する講座は多数開催されているので、参加することで学びが得られます。
それぞれに特色があり、理論と実習で米粉の基礎から応用までを学ぶ講座や、パン作りを中心に学ぶ講座、オリジナルレシピに挑戦できる講座など、バリエーションが豊富です。
自分の今のスキルや、米粉パンの知識・技術の活かし方に応じて選択するとよいでしょう。
講座についても、オフライン・オンラインともに開催されているので、いろいろな学び方が可能です。
すでにパンの専門学校に通っている、オンデマンド講座を受講しているといった方の場合でも、プラスαとして学べるので、スキルアップとして講座に参加するのもよいでしょう。
米粉パンを含めたパンについて広く学べる講座に参加する
一般的なパンに関する幅広い知識やスキル、資格があれば、米粉パンについても学びが深めやすいと考えられます。
そのため、パン職人として活躍するために米粉パンだけを学ぶのではなく、広く勉強しておくことをおすすめします。
一般的なパンについて学ぶ際も、資格取得は必須ではありません。
専門学校に通ったり、オンデマンド講座を受講したりするほか、独学で学ぶことも可能です。
ただ、初心者から学びを深めていくためには、専門学校やオンデマンド講座のほうが効率的だと考えられます。
はじめにパンについて広く学んでおくと応用が効きやすく、活躍の幅も広がります。
そのうえで米粉パンの知識や技術を得るとオリジナリティが出せるので、差別化を図ることが可能です。
時代のニーズにマッチしたパン職人を目指すために、プラスαのスキルとして米粉パンについて学ぶことはおすすめです。
米粉パンについて学びたい場合でも幅広く学べるパンの資格の方がいい?
米粉パンについて学びたい場合でも、パン作りについて、そしてパン屋やパン教室を開業するにあたり必要なことについて、幅広く学べる講座の方がおすすめの理由は3つあります。
米粉パンの資格だけでは製パン全体のことは学べない
米粉パンの資格を目指せる講座はたくさんありますが、米粉パンについて学ぶだけでは、製パン全体のことを学ぶことができません。
将来的にパン屋として販売したり、パン教室で教えたりしたいとお考えの方の場合には、パン製造に関する広い知識が必要です。
米粉パンの資格やそのための知識・スキルについては、あくまでのプラスαのものと捉えて学んでいくとよいでしょう。
配合の調整などにはやはりパン製造に関する幅広い知識が必要
米粉の食感を生かしたパンをつくりたいと考えたときも、さまざまな配合による調整が必要です。
また、アレルギーに対応した米粉パンを商品として製造するのであれば、小麦粉を全く使用しない厨房での製造環境等が不可欠。
米粉パンについて、商品のバリエーションを増やすなどの工夫も必要となってきます。
そのためにはやはり、パン製造に関する幅広い知識や、製パンに関する経験が求められます。
幅広く学べる資格のほうが、応用が効きやすい点でおすすめです。
米粉パンのみだと将来的な活躍の幅が狭まる
米粉パンに限ったことではありませんが、そのジャンル1つに絞り込むのはリスクが高いです。
1つのパンに特化したパン屋はありますが、「もう少し幅広く学んでおけばよかった」と後悔する人も少なくはありません。
米粉パンや、アレルギー対応のパンだけでなく幅広いパンの知識があれば、ニーズの変化にも対応しやすいでしょう。
さらに、パン資格以外にも例えばスイーツ、バリスタなど、広くカバーできると将来的に活躍の幅が広がります。
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